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知的財産権

コピーバンドや路上ライブと著作権

コピーバンドや路上ライブと著作権

今有名になっている多くのバンドも、最初はコピーバンド(通称コピバン)から始めたと思います。

バンドだけでなく、路上ライブをしている人たちも、ゆずやコブクロといったフォークデュオのカバー曲で練習を積み、オリジナルソングに移行していく、という人も少なくないでしょう。

学ぶは真似ぶ、とも言われるように、絵画の模写や習字と同様、真似をすることが上達の一番の鍵になります。

一方で、著作権の問題があり、真似は(私的使用など、許される諸条件を除けば)盗作として違法とされる対象となっています。

それでは、コピーバンドや路上ライブといった、ある種金銭が発生する形態での真似は、著作権法上違法の扱いになるのでしょうか。

コピーバンド

まずはコピーバンドと著作権の問題について紹介したいと思います。

先ほど説明した通り、私的使用の範囲内であればコピーしても問題はありません。

しかし、この私的使用の範囲は、境界線自体曖昧な上に相当狭く、基本的に「経済的利益を損失しないこと」が重要になってきます。

そのため、自分がCDを購入し、コピーしたものを友人にあげる行為は、「本来販売されていたはずの一枚が、買わずに済んでしまった」ことから、私的使用の範囲を越えると考えられます。

ただ、これも実際は曖昧で、はっきりと「どこまで」がOKと定義づけはできません。

コピーバンドも、集まって練習するなど、私的な範囲内であれば問題ないでしょう。

それでは、ライブハウスで演奏する場合は、著作権的に問題になるのでしょうか。

著作権には、演奏権というのもあり、「公の場で演奏する権利」自体、著作権者の許可が必要となります。

ただし、演奏権には例外があり、非営利・無報酬・入場無料の条件が整っていれば、特に許諾は必要ありません。

公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。

ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

出典 : 著作権法 第38条1項

もし、他者の楽曲の演奏で「利益」を得ようと思ったら、多くのミュージシャンが著作権管理を預けているJASRACに許可申請を提出し、許諾を得るという形になります。

ライブハウスで入場料などを取って演奏する場合ですが、これは、すでにライブハウスのほうで包括契約を結んでいることが多く、その場合は、ある程度自由に演奏が可能です。

ここでポイントになるのは「入場料を取るかどうか」という点です。チケット代が0円の場合は問題ないかといえば、そうではありません。ライブハウスの場合、入場するのにドリンク代がかかるケースが多いと思います。その場合、来場者の方が完全に無料で入れるエリアではないと解釈されます。

ライブハウスでは、演奏者ではなく経営者の方が音楽の利用者としてJASRACから著作権の許諾を得ています。多くのライブハウスは、JASRACの管理するレパートリーなら自由に演奏できる包括契約を選択されています。そのため、当日の急な曲目変更などにも対応できます。

出典 : これって著作権的に大丈夫? 17の疑問をJASRACにぶつけてみた!

普通、一般的なライブハウスなら包括契約を結んでいるでしょうが、もしコピーバンドで演奏する際に不安なら、ライブハウスに確認してみるとよいかもしれません。

また、中学生や高校生が友人とコピーバンドを結成し、学園祭などで演奏する際はどうなのでしょうか。

こちらは先ほども触れたように、「非営利、無報酬、入場無料」であれば問題ありません。

ただ、この演奏で人を集め、外の売店などで収益を得る、というのはグレーのようで、厳密に考えだすと、著作権は色々曖昧な面が出てくることも事実です。

路上ライブ

駅前などストリートでコピー曲を演奏する路上ライブの場合、著作権侵害の心配はないのでしょうか。

これははっきりと問題なし、とJASRACの方も仰っています。

演奏権の適用範囲外、「非営利、無報酬、入場無料」の条件に該当することが、その理由です。

路上ライブには、「投げ銭」の仕組みもありますが、投げ銭は、「払わなければ見られない」という類のものではないので、報酬や入場料には当たりません。

ストリートでは、度々「投げ銭」が行われますが、これが報酬や入場料に当たるのではないか、と不安に思われる方もいるでしょう。ですがストリートの場合は「それを払わなければ見れない」というものではありませんよね。明らかな商業目的のストリート演奏は例外として、個人でストリートで演奏されていて、投げ銭があった場合も入場料とみなしてはいません。

出典 : これって著作権的に大丈夫? 17の疑問をJASRACにぶつけてみた!

路上ライブは、基本著作権の心配はなし、とのこと。

ところが、別のJASRACの担当者は、投げ銭も違反になる、と指摘し、どうやら見解が定まっていないようです。

路上ライブで投げ銭をもらった場合、またCD販売を行った場合について訪ねました。担当者曰く「投げ銭は出演者への報酬にあたると考えられるので、著作権の侵害となる可能性が高い」とのことでした。CD販売については「正直、微妙です」との回答で、明確な取り決めはないとのことです。

出典 : ジャスラックに訊いた!路上ライブでカバー曲を歌うと著作権を侵害する?

要は、この辺りもグレーということなのでしょう。

ただ、個人的には、グレーを機械的に全部アウトにしたら、本来の著作権の意義である文化の発展に繋がっていかないと思います。

自分たちもコピーから始めたミュージシャンたちも、若い無名のミュージシャン志望の人たちが自分の歌をコピーしているからと言って目くじらを立てることは、あまりないのではないでしょうか。

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