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著作権

漫画の一コマやドラマのワンシーンと著作権

漫画の一コマやドラマのワンシーンと著作権

よくツイッターやインスタグラムで、人気漫画の一コマの写真が転載されている場合があります。

その場合、恐らく作者や出版社に許可を得ていないと思うので、「無断転載」ということになります。

歌詞の場合、短いワンフレーズ程度なら、ツイッターなどで呟いても著作権的に許されると考えられます(「愛してるの響きだけで、強くなれる気がしたよ」というツイートを端からレコード会社やミュージシャンが訴える、というのは現実的ではありません)。

一方、漫画の一コマ、あるいはドラマや映画のワンシーンをツイッターなどSNSに載せるのは、著作権侵害に該当し、厳密には違法となります。

漫画のコマは、著作権で保護された他者の著作物ですし、基本的にダメな行為ですね。著作物とは『思想感情を創作的に表現したもの』と定義されていますが、『工夫して創造したもの』は基本的に著作権の対象になります。

出典 : 芸能人、アニメアイコンであふれ返るSNS…深澤弁護士に聞く「正しいつぶやき方」

著作権が発生する著作物の定義は、思想または感情を創作的に表現したものであって文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものです。

この「著作物」を作者に黙って無断転載すれば、当然ながら「著作権侵害」に当たります。

ただし、無断転載をしても許される場合が大きく分けて二通りあり、一つは「許可が出ている場合」、もう一つは「引用の範囲内の場合」です。

①許可が出ている場合

たとえば、漫画『ブラックジャックによろしく』は、作者の佐藤秀峰氏が、漫画の二次使用を許可。

商用、非商用問わず、フリー素材として自由に利用していい、と公言しています。

著作権で収入を得る、という今のやり方は、もう時代に合わなくなってきているんじゃないかな、というのは肌で感じています。著作権でお金を得るビジネスモデルとは別の方法を試していかないと(佐藤秀峰)。

出典 : 漫画家『佐藤秀峰』にきく「前例なき大ヒット漫画の二次使用フリー化に挑む理由」

大ヒット漫画である『ブラックジャックによろしく』ですが、最終巻が出版されたのは2006年。以来、重版がかかっているわけでもなく、印税は一円も発生していません。

それならいっそ、どんどん二次使用してもらおう、と佐藤さんは考えたそうです。

結果、コピーを友人にばらまいてもよく、改変や二次創作に利用しても、Tシャツにしても、また販売して儲けてもいい、とのことです。

しかも、一切の事前連絡なく(利用規約によれば、メールで一ヶ月以内の事後報告は必要、ただ条件に従っている限り拒否はないとのこと)。

また、成人向け作品に改変しても構わない、と佐藤さんは言います。

作品の価値を下げることにはならないのでしょうか。

僕はそうは思いません。『これはパロディなんだ』、ということぐらいは読者にもわかるでしょう。むしろ僕がこれまでに正式に二次使用を許諾している作品(テレビドラマ、映画など)で、僕の作品作りのスタンスとあまりにかけ離れている表現があるとちょっとモヤモヤしますかね。

テロップに「原作 佐藤秀峰」と出てきたら、そのドラマの表現を僕が認めているように受け取られてしまう気がすると言うか。

出典 : 漫画家『佐藤秀峰』にきく「前例なき大ヒット漫画の二次使用フリー化に挑む理由」

これはとても珍しい事例ですが、このように作者が二次使用を認めている場合は、自由に利用することができます。

フリー素材サイトも同じ仕組みとなっています(ただし、各サイトごとにクレジットの有無など細かい注意書きはあるので、利用する場合は予めチェックしましょう)。

また、これは少ないでしょうが、個別に作者や出版社に許可を取った場合も使用が可能となります。

しかし、二次創作については、ある程度漫画文化の発展のために黙認している(基本的に親告罪)ケースも多く、わざわざ許可を取りに来られると、むしろ明確に拒否しなければならなくなり、出版社側としては「自己責任で勝手にやってほしい」という本音もあるようです。

②引用の範囲内

もう一つ、漫画の一コマやドラマのワンシーンを合法的に無断で転載してよいケースとしては、「引用」の範囲内である、ということが挙げられます。

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。

出典 : 著作権法

これは、著作権法でも認められた権利です。

それでは、「引用」の条件とは一体どういったものでしょうか。

以下の条件を満たした場合、合法的に使用することができる「引用」が可能となります。

  • すでに公表された著作物であること。
  • 引用部分が明瞭に区分されていること。
  • 自分の文章と引用部分と「主従関係」にあること
  • 原則として、原型を保持
  • 公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲内
  • 出典の明示

細かいことは、以前『ブログで活用「引用」の方法』で書いたので省きますが、上記のようなポイントが引用の条件となります。

文章だけでなく、漫画はもちろん、映画やドラマのワンシーン、音楽なども、「公表された著作物」である限り、引用は可能です。

ただし、この引用の範囲が議論になり、一体どこからどこまでが引用なのか、特に「主従関係」や「目的上正当な範囲内」というのが、境界線の難しい点になります。

また先ほども触れたように、著作権者が黙認している場合もある(作者によって考え方が違う)というのも複雑な理由と言えるでしょう。

たとえば、インスタやツイッターに、本やCDのジャケットなど著作物の一部を写真に撮って感想を添える、というのも、物凄く厳密に言えば著作権法に違反していると言えるかもしれません。

しかし、作者や出版社でそれを嫌がる、というひとはそれほど多くはないでしょう。

一方で、ネタやパロディのような形で自作の漫画のキャラクターや一コマを使われるのは嫌だ、という作者はいるかもしれません。

ただ、こちらも、(厳密には違反ですが)よほど悪質であったり商売上の悪影響になるようなことでもないかぎり、具体的に訴えを起こす、ということは少ないのではないでしょうか。

もう一点、ブログ(アイキャッチ画像含め)などで、装飾として漫画の一コマを載せたり、他人の撮影した写真を掲載する場合はどうでしょうか。

これも、著作権侵害に当たる可能性が高いと思います。

ブログが、その漫画や写真、ドラマ、映画そのものについて論じている文章であれば、「目的上正当な範囲内」であり、「引用」が許されるでしょうが、文章と全く関係がなかったり、単なる「装飾」として使用しているのであれば、著作権侵害になる可能性が高いと言えるでしょう。

いずれにせよ、著作権というのは実際には大変グレー(黙認)も多く、そのグレーゆえに文化が回っている側面もあります。

悪質性の度合いや、商用か否か、また作者のスタンスもそれぞれ違い、線引きが難しい問題ではありますが、もし「厳密に見た際の著作権違反」というのを全て取り締まるとなれば、車の速度制限同様、多くのアウトが見つかることになるでしょう。

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どういうあり方が、より「文化の発展」に繋がるか、この辺りは今後議論も深まっていくかもしれません。

以下は、初心者でも分かりやすい、著作権に関するおすすめの書籍です。

デザイナーや写真家、ブロガーなど、フリーランスを始めるのによいでしょう。