『モナリザ』の著作権
世界でもっとも有名な名画の一つと言っても過言ではない作品に、イタリアの美術家レオナルド・ダヴィンチが作者の『モナリザ』があります。
レオナルド・ダヴィンチ『モナリザ』 1503〜1506年頃
正確な制作年は分かっていませんが、『モナリザ』は1503年から1506年頃にフィレンツェで描かれたと考えられています。
作品のモデルは、フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻リザ・デル・ジョコンドで、彼が夫人の肖像画の制作を依頼したと言われています。
フランスの国有財産であり、パリのルーヴル美術館で常設展示されています。
また、「世界でもっとも知られた、もっとも見られた、もっとも書かれた、もっとも歌われた、もっともパロディ作品が作られた美術作品」と言われるほど、様々な場所で目にする絵でもあります。
たとえば、ダヴィンチの『モナリザ』のパロディ作品として代表的なものに、マルセル・デュシャンの『L.H.O.O.Q』があります。
マルセル・デュシャン『L.H.O.O.Q』 1919年
マルセル・デュシャンと言えば、男性用小便器に署名して『泉』と名付け、作品としたことでも知られ、「ダダイズムの父」と称される芸術家です。
デュシャンは、安物の『モナリザ』のポストカードに鉛筆で髭を書き足し、『L.H.O.O.Q(「彼女はお尻が熱い」を意味する)』というタイトルをつけます。
この歴史的名画への“いたずら書き”によって、デュシャンは西洋的な権威の失墜や、権威性への反抗という観念的な表現を行いたかったのでしょうか。
マルセル・デュシャン『泉』 1917年
ところで、『モナリザ』の著作権というのは、一体どうなっているのでしょうか。
著作権は、原則著作者の死後50年(現在は死後70年)まで保護され、以降は著作権切れとなります。
作者であるレオナルド・ダヴィンチが亡くなったのは1519年と遠く昔のことなので、著作権はとっくに切れ、商用利用含め『モナリザ』は誰でも自由に利用することが可能です。
絵画の著作権の保護期間は、原則として著作者の死後50年です。
しかし、モナリザ(絵画「モナリザの微笑」)の作者ダビィンチは1519年に死亡しており、死後500年近く経過しており、もやは著作権は切れています。したがって、誰でも自由にモナリザを利用することが可能です。
ただし、『モナリザ』のパロディ作品には、新たにその製作者にそのパロディ作品の著作権が与えられます。
また、画集に掲載されている『モナリザ』を写真に撮ったりスキャンして使用することは問題ありませんが、その写真自体が一つの作品となっている場合は、写真そのものに著作権が発生します。
たとえば、上の写真は、『モナリザ』が写っていますが、写真自体が一つの作品となっています(ただし、これはフリー素材サイトの画像を利用しています)。
この場合、写真に著作権が発生するので注意しましょう。
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デザイナーや写真家、ブロガーなど、フリーランスを始めるのによいでしょう。