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フリー素材

アイコン画像にも、ジブリの公式フリー素材

アイコン画像にも、ジブリの公式フリー素材

アニメーション映画と言えば、宮崎駿監督、高畑勲監督を主とし、『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『となりのトトロ』『かぐや姫の物語』など名作を数多く輩出するスタジオジブリが有名です。

ジブリは、これまで著作権に厳しい会社として知られ、ディズニーとジブリは触らぬ神に祟りなし、ということで危うい橋は渡らないように触れない、というのが各界の認識だったようです。

そのジブリが、アニメ作品のフリー素材を公式で提供することを発表。

スタジオジブリ全作品の場面写真が公開されることになり、ツイッターやLINEのアイコン、ブログなどにも無料で使用可能となるようで、ネット上でも話題となっています。

以下、公式で公開されているジブリのフリー素材のアニメ作品とリンクです。

作品名 監督 公開年 フリー素材
千と千尋の神隠し 宮崎駿 2001年
ゲド戦記 宮崎吾朗 2006年
崖の上のポニョ 宮崎駿 2008年
借りぐらしのアリエッティ 米林宏昌 2010年
コクリコ坂から 宮崎吾朗 2011年 ココリコ坂
風立ちぬ 宮崎駿 2013年 風立ちぬ
かぐや姫の物語 高畑勲 2013年 かぐや姫の物語
思い出のマーニー 米林宏昌 2014年 思い出のマーニー

 

千と千尋の神隠し
監督 宮崎駿 公開 2001年

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ゲド戦記
監督 宮崎吾朗 公開 2006年

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崖の上のポニョ
監督 宮崎駿 公開 2008年

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借りぐらしのアリエッティ
監督 米林宏昌 公開 2010年

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コクリコ坂から
監督 宮崎吾朗 公開 2011年

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風立ちぬ
監督 宮崎駿 公開 2013年

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かぐや姫の物語
監督 高畑勲 公開 2013年

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思い出のマーニー
監督 米林宏昌 公開 2014年

思い出のマーニーその他の画像を見る

ジブリの公式フリー素材は、順次公開ということでしたが、現在は、上記の作品以外にも、『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『天空の城ラピュタ』『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』など、全作品が公開済みとなっています。

商用利用は可能か

ところで、ジブリのアニメ画像のフリー素材提供に関し、公式サイトを確認しても、細かい利用規約は公開されていません。

ただ一言、「常識の範囲でご自由に」という言葉が、ジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんの直筆で掲載されているだけとなっています。

この「常識の範囲」というのも、一体商用利用も含めてどこまで許されるのか、という規約は明文化されていません。

ただ、ラジオ番組『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』の「ジブリと著作権」の回で、鈴木さんとジブリの社員の方、それぞれの著作権に関する考え方や思いが語られ、この「常識の範囲」の一端が伺えたので、内容を簡単に紹介したいと思います。

鈴木敏夫のジブリ汗まみれ アーカイブ

鈴木敏夫さんは、子供の頃に誰かの真似をして絵を描いたことはもちろん、出版社で働き始めたあと(1970年代)も、まだ著作権のような権利問題に社会は大らかで、雑誌で他人の著作物を頻繁に使用し、その際に抗議を受ける、ということもなかったそうです。

しかし、1980年以降、「著作権」が話題になり、徐々に厳格化。同時にビジネス化していくことに疑問を覚えた、と鈴木さんは言います。

僕はどこかで著作物として著したものは、色々なひとが使いやすい環境を本来やる(用意する)べき。いわゆるライセンス商売はもちろんあるわけで、ときにはそれが他人の商売領域を侵すということもあるんだけど、ギリギリだったらいいんじゃないかとかね(笑)

出典 :『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』

著作権は、厳密に指摘しようとすれば、今ネットやSNS上で無断使用されている画像や、LINEのアイコンなども含め、相当数が法律上は「アウト」になります。

ただ、そもそも著作権というのは、文化の発展に寄与する、というのが本来の目的です。

法律に対し厳密にし、あまりに息苦しくすることで、逆に文化を窒息死させてしまう恐れもあり、鈴木敏夫さんは、全て取っ払えというわけではなく、ただ、もう少し曖昧な部分に対しては鷹揚おうようでもいいのでは、という考え方のようです。

もともと、ジブリが著作権に厳しいのは、鈴木敏夫さんの意向ではないか、と外部からは考えられていたのですが、鈴木さんは、むしろ全く真逆の考え方でした。

著作権問題に対する意識が厳しくなり、あらゆる権利がビジネスに代わり、対価が発生する。

恐らく米国が中心となって推進したのだろうと鈴木さんが指摘する、権利を売買する巨大な権利ビジネスに、鈴木さんはずっと抵抗感があったそうです。

この抵抗感について、「公的な場では口外しないでくれ」と鈴木さんはジブリ内外からお願いされてきたようで、鈴木さんが著作権に厳しいのだろうという誤解は、こうした背景もあったのかもしれません。

また、ジブリの作品は、もはや今まで支えてきてくれた人たち、観てくれた人たちのものでもあり、アニメの場面写真のフリー素材公開は、その「恩返し」の意味もあるということ。

もう一点、鈴木敏夫さんが若い頃に好きだった流行作家が、死後急速に忘れ去られ、今では本を手に入れることも難しくなったという経験から、ジブリもいずれ忘れ去られるのではないか、消えていってしまうのではないか、という恐怖もあると言います。

①激しい権利ビジネスへの抵抗感。

②ファンへの恩返し。

③忘れ去られる恐怖感。

こうした鈴木さんの強い思いや背景もあり、ジブリは今回、公式でアニメ作品のフリー素材提供に踏み切ったようです。

ラジオ内で、宮崎駿監督の見解は話に出てきませんでしたが、これほどはっきりと鈴木さんが主張していることも踏まえると、同意見なのか、あるいは、この辺りのことは鈴木さんを信頼し、一任しているのかもしれません。

さて、「常識の範囲」の境界線の話ですが、ラジオのなかで鈴木さんは一つだけ、「(おとしめるような)誹謗中傷だけはやめてね」とコメントしています。

一方、同席していたジブリの法務部の方は、「もう一点、商用利用もやめてほしい」と発言。

この発言に、弁護士の方や、鈴木さんは、即座に、「商用利用は難しいと言うが、今なにをもって商用利用と言うか、その境界線がどんどん難しくなっている」と指摘します。

ブログやYouTubeでも、アクセスが増えれば広告収入が増える。

ブロガーやYouTuberが、もしジブリのフリー素材を使用したら、それも「商用利用」というのか、もしお金が少しでも動いたら全部駄目かというと、それはちょっとやりすぎではないか、と弁護士の方が語り、この意見にジブリのスタッフの人も納得します。

以下は、そのラジオを聞いた上での個人的な感想であり、鈴木さんの言う「常識の範囲」に関する私見です。

ブログやYouTuberの利用は、それが商用利用であっても、鈴木さん的には、「まあ、いいじゃん」という感じで、もちろんツイッターやインスタのアイコンにしたり、SNSに投稿するのも自由でしょう。

ジブリによほどの経済的な損失(このアニメ画像の素材だけで損失を与えることは滅多にないでしょうが)を与える悪質な行為や、貶める誹謗中傷さえなければ、(著作権というのはあくまで当事者がよいと言っていたらよいというのが基本なので)ほんとうに気楽に、自由に使っていい、ということではないかと思います。

色々と改変して遊ぶことも含め、「常識の範囲」の幅は、割と柔軟にして、鈴木さん自身、そういう現象も丸ごと楽しみそうな気もします。

商用利用も、鈴木さんの内心では、結構な部分で許してもいいと思っているのかな、という印象でした。

ただ、Tシャツなどグッズにして販売するのは避けたほうが無難かもしれません。

ちなみに、芸術家のアンディ・ウォーホルの絵の話になった際、スープ缶やマリリン・モンローは権利上問題にならないのかな、誰の許可を得たんだろう、と子供心に疑問に思った、という一人の若いスタッフの発言に、「そっか、そういう時代の子なんだよね、俺らのときの世代は違った、そんなの使うのは当たり前だ、と思ってた(笑)」と鈴木さんはコメントしています。

また、弁護士さんも、「ウォーホルの作品の具体的な創作過程はわからないけど、(権利上仮に侵害だったとしても)あれにクレームつけたら、そっちのほうが恥ずかしいよね」と発言しています。

アンディ・ウォーホル『キャンベルスープの缶』 1962年

鈴木さんが許している以上、ジブリとしてもそれほど細かく目くじらを立てることはないでしょうが、どちらかと言うと、ファン心理のほうが重要かもしれません。

以前、『星の王子様』の著作権が切れ、イラストが自由に使えるようになったことから、一部改変し、商品パッケージとして使用した際、批判が相次ぎ、即座に販売停止になった、ということがありました。

「星の王子さま」コラボ商品、権利侵害の批判受け2日で販売終了…本当に法的問題はあった?

これも法律上は基本的には問題がなく、主にファン心理が要因となったものだったようです。

今後、色々と問題が生じるようなら、その際、また正式な利用規約が出るかもしれません。

ただ、現状、「常識の範囲」とは、ジブリ作品を大切にしてね、というような肩の力の抜けたものだと思います。

以上、アイコンにも利用可能なジブリのフリー素材と著作権でした。

以下は、初心者でも分かりやすい、著作権に関するおすすめの書籍です。

デザイナーや写真家、ブロガーなど、フリーランスを始めるのによいでしょう。