寺山修司と青空文庫
寺山修司は割と最近の作家
日本を代表する詩人、劇作家として知られる寺山修司は、印象としてはもうずいぶん古い作家という感じかもしれませんが、実際は、1935年生まれで、割と現代の作家でもあります。
たとえば養老孟司さんが1937年生まれ、ジブリの宮崎駿監督が1941年生まれですから、ある程度は同時代と言ってもいいかもしれません。
ただし、亡くなった年齢が47歳と若く、年代で見たら1983年だったことから、今の人たちからすれば、昔の作家に思えるかもしれません。
寺山修司と現代人との絡みで言えば、黒柳徹子さんの『徹子の部屋』に出演したり、芸人のタモリさんがモノマネしていたことも有名です。
このタモリさんのモノマネに関しては、寺山修司自身が、沢田亜矢子さんとの対談のなかで次のように語っていたそうです。
寺山「タモリという人のすごく面白いところは、方言をマネしているんじゃなくて、しゃべり方の内容、論理の組み立て方が同じなのね。なるほど、オレあんなふうにしゃべるんだなというのがよくわかる。」
こういう風に見たら、寺山修司が割合に最近の作家であることが分かると思います。
青空文庫にはない
青空文庫は、著作権が切れた作品を無料で公開しているサービスですが、著作権は、死後50年(途中から死後70年に変更)で切れるので、寺山修司の作品は、青空文庫にはありません。
寺山修司の没年は、1983年なので、2022年現在で、死後39年です。
著作権についてはまだまだ切れることはないので、青空文庫の収録も当面先となるでしょう。
寺山修司は詩や短歌、アングラ演劇、エッセイなど、様々な表現活動を行なった作家ですが、個人的におすすめの詩集に、『寺山修司少女詩集』があります。
メルヘンな世界観と、詩情に溢れつつも分かりやすい表現を駆使した詩も多く、親しみやすい詩集となっています。
たとえば、こんな詩があります。
『ひとりぼっちがたまらなかったら』
私が忘れた歌を
だれかが思い出して歌うだろう
私が捨てた言葉は
きっとだれかが生かして使うのだだから私は
いつまでも一人ではない
そう言いきかせながら
一日中 沖のかもめを見ていた日もあった出典 : 寺山修司『寺山修司少女詩集』
一人でありながら、言葉を通して繋がっているのだから一人ではないと、「いいきかせ」ているということは、少し強がっているのかもしれません。それゆえに、うっすらと寂しさも伝わってくる詩。
難しい表現が使われているわけでもなく、情景が映像としても浮かびやすく、表現も決して古びていない作品です。
以下は、初心者でも分かりやすい、著作権に関するおすすめの書籍です。
デザイナーや写真家、ブロガーなど、フリーランスを始めるのによいでしょう。