料理と著作権
レストランやカフェで提供される料理の写真を撮影し、インスタグラムやツイッターなどSNSやブログなどにアップしたい、という場合があると思います。
このお店の料理がどれだけ美味しかったか、ということを表現するのに写真は不可欠。
さて、そこで気になるのが、「著作権」です。
料理を作品(著作物)と考えるなら、勝手に写真を撮影することは著作権侵害、すなわち犯罪にはならないのでしょうか。
実は、現在のところ、「料理に著作権はない」というのが一般的な解釈のようです。
著作権があるかないかといえば、ありません。民法上も著作権の事例に挙げられておりませんし、芸術性はないという認識が一般的です。食べればなくなってしまいますからね(弁護士)。
著作権が発生しないということは、基本的に無断で撮影しても、インスタやツイッター、ブログなどにアップしても、特に違法ではない、ということになります。
ちなみに、「料理」に著作権はありませんが、「料理の写真」には著作権が発生します。他人の「料理の写真」を無断転載した場合は著作権侵害に。
ただし、撮影の際には以下のようなポイントに注意しましょう。
お店が撮影禁止かどうか
著作権的には問題がなかったとしても、お店の側が店内のルールとして撮影禁止を掲げている場合は、そのルールに従いましょう。
店内での撮影が禁止されていなかったり、撮影を認識しながら何も注意を受けなかった場合は黙示の承諾があると解されますので、問題になることは少ないでしょう(弁護士)。
心配な場合は、念のため店側に撮影可能かどうか確認しましょう。
周りのお客さんの迷惑にならないように
写真撮影の音がパシャパシャと鳴れば周りのお客さんに迷惑がかかります。
また店内を撮影する際に、お客さんや店員さんの顔が写った写真を勝手にネット上にアップすれば肖像権の侵害にもなります。
悪口に使用しない
ブログで料理の悪評を書いたり、SNSで店の悪口を載せる目的で写真を使用した場合、「業務妨害罪」に問われることもあるようです。
ただし、合理的な理由がある批評は、自由経済では是認されるべきことなので、その場合、悪意などの悪質性が問われることでしょう。
例えば、合理的な根拠なく星1つの評価を繰り返し付けるといったものは『業務妨害』に当たる可能性があります。また、星のみではなく具体的な事実関係を示して事業者の社会的評価を低下させた場合は『名誉棄損』に該当する可能性があります。
(中略)
しかしながら、社会において経済活動をしている以上、一定の評価を受けることは避けられません。また、評価されない自由を認めると、評価する側の表現の自由を制限してしまうのではないかという問題が生じます。したがって、『公に評価されたくない』という事業者の希望は、かなわないものと思われます。
ブログの運営、インスタやツイッターなどSNSにカフェやレストランの写真をアップするときは、「全世界のひとが見られる状態にある」ということを意識し、以上のような点に注意するようにしましょう。
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デザイナーや写真家、ブロガーなど、フリーランスを始めるのによいでしょう。