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人のスマホ(携帯)を勝手に見るのは犯罪か

人のスマホ(携帯)を勝手に見るのは犯罪か

恋人や夫婦関係のあいだで浮気が疑われる場合、スマホ(携帯電話)を勝手に盗み見る、という手段をとる人もいるかもしれません。

スマホは、パソコン以上に情報が詰まっています。

電話の着信履歴やネットの閲覧履歴、写真やメール、LINEなどのメッセージアプリ、またTwitterやインスタグラムのアカウント情報も確認することができます。

他人のスマホを勝手に見ることは、他人の部屋や脳内を勝手に見ることに近い行為と言っても過言ではありません。

それでは、この他人のスマホを見る行為というのは、犯罪には当たらないのでしょうか。

スマホの盗み見は、刑法では違法ではない

移動から交友歴、趣味嗜好含め、多くの個人情報がたっぷり詰まったスマホですが、他人のスマホを勝手に見ることは、刑法上は特に違法ではありません。

これは見る相手が恋人であっても夫婦間であっても、特段刑法上の取り締まり規定はないようです。

ただし、手紙に関しては、勝手に見る行為は法律上、刑法の規定が存在し、犯罪となる可能性があります。

正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

出典 : 刑法第133条

この「封をしてある信書」というのは、「パスワードをかけてあるメール」と拡大解釈できそうな気もしますが、現在のところ、これは文字通り手紙のことを指すとし、メールを勝手に見る行為は刑法上の法律違反には当たりません。

信書開封罪の条文上,ハッキリと『封をしてある信書』と書いてあります。
携帯電話やパソコンのメールは『封』があるとは言えないでしょう。
さらに『信書』という言葉には(物理的な)文書という意味が含まれています。
これを電子メールも含むと解釈するのは,合理的な解釈の幅を超えるでしょう。
結局,メールを無断で見ること自体は信書開封罪には該当しないと考えられています。

出典 : みずほ中央法律事務所

結局のところ、刑法上は、人のスマホや携帯電話を勝手に見る行為は犯罪ではない、ということが言えます。

民法上は問題がある可能性も

他人のスマホを勝手に見る行為は、刑法上は犯罪ではなくても、民法上は訴訟など問題になるリスクはあります。

先ほども触れたように、スマホはプライバシー情報の塊です。

このスマホを勝手に見るとなれば、それはプライバシーの侵害に当たり、損害賠償の責任を負う可能性があります。

正木裕美弁護士は、次のように語っています。

勝手に携帯を見るのはモラルとしてもどうか…ということにとどまりません。スマホの中身はプライバシー、つまり、私生活上のもので、一般への公開を望まず、かついまだ一般に公開されていないデータの塊ですから、ロックを解除して勝手に見ると、プライバシー侵害で損害賠償責任を負う可能性があります。

出典 : 恋人のスマホを見たら犯罪?弁護士に聞いてみた

また、ロックを解除し、その後、自動保存されていたりどこかで知ったパスワードを利用してインターネット上のサービスであるLINEやTwitter、Instagram、Gmailなどを無断で見ると、不正アクセス禁止法違反という罪に問われるケースもあります。

要するに、人のスマホを勝手に見て、保存されている写真や着信履歴などを盗み見る場合はプライバシー権の侵害など民事上の問題ですが、ネット経由のサービスにおいてアクセス権限がないのに無断でログインすることは、不正アクセス禁止法違反に当たります。

不正アクセス禁止法とは、アクセス権限がないネットワークに侵入したり、パスワードを盗み取ったりすることなどを禁止する法律です。身近な例でいえば、家族のスマホのパスワードを覗き見て覚えておき、本人のいないときにパスワードを入力して侵入することも不正アクセス禁止法違反に該当します。

不正アクセス禁止法に違反すると、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があります。

出典 : 不正アクセス禁止法で逮捕されるケースと逮捕後の流れ

また、プライバシー侵害については、恋人なり夫や妻のプライバシーだけでなく、浮気相手や友人など、その相手側のプライバシー侵害にもなります。

プライバシーを侵害された側が、損害賠償請求を起こすことが可能性としてあります。

結婚しているなど夫婦間なら許される?

基本的に自由恋愛の恋人関係とは違い、結婚している状態で浮気の疑惑があれば、証拠を抑えるためにスマホを勝手に見ることもありうるかもしれません。

その場合は、「大目に見られることも多い」と正木裕美弁護士は言います。一方で、妻が夫のメールを何百回と見て逮捕された、というケースもあるようです。

仮にスマホを開くのにパスワードが設定していなかったとしても、勝手に見ればプライバシー侵害に当たります。

いずれにせよ、他人のスマホを見る行為は、リスクの高い行為と言えるでしょう。

その他、スマホの中身を見て知った内容をバラす、といった内容のメールを送れば脅迫罪に、また勝手に社会的評価を下げるような書き込みをネット上にすれば名誉毀損など、やはり賠償責任に問われます。

それくらい「スマホ」というのは、今や情報のかたまりとして重要なものとなっています。

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