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知的財産権

円周率や数式と著作権

円周率や数式と著作権

ツイッターで、ある本が紹介され、話題になっていたのですが、その本の表紙には、大きく『π(パイ)』の文字があります。

πとは、ご存知の通り、円周率の略記号で、もともとギリシア文字の一つ。ギリシア語で、περίμετρος(ペリペレイア)という「周辺、円周」といった意味の言葉の頭文字に由来します。

本のタイトルは、『円周率1000000桁表』です。

画像 : @soukurokimyan「この本狂ってて最高」|Twitter

中身を見ると、眩暈がするほどに、ひたすら円周率が続きます。

円周率が、10000000桁。この異様な本の著者は、牧野貴樹さんという方で、本の出版社は、同人サークル「暗黒通信団」とのこと。

なぜ、こんな「円周率が続く」という謎の本を出版したのでしょうか。巻末には、著者のインタビューも掲載されています。

Q、なにを血迷ってこんな本を作ったんですか?

A、そんなふうに思う人はこの本を買わないと思います。

出典 : 牧野貴樹円周率1000000桁表』

値段は、一冊339円。発売日は、1996年とあるので、もうずいぶん昔に遡りますが、今だにこうして話題になるのだから、根強いパワーです。

Amazonのレビューを見ても、記事執筆時点で43件。星5つが75%、平均評価は星4、4と非常に高評価です。

友人に勧められて購入しました。内容はというと、タイトル通り円周率が100万桁載っているだけなのですが、値段やあとがき部分などに製作者のセンスが光っていて、数学好きにはたまらない1冊です。特に、円周率を覚えたいという物好きの人(私もその一人ですが)、は買いです!

数学にあまり興味がない人はすぐに飽きが来るとは思いますが、比較的安価ですので話のネタとして購入しても悪くないと思います。
買った後、どのように活かすかはあなた次第です。ちなみに私は部屋でパラパラめくって一人でニヤニヤしてます。これ、おすすめ。

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学生時代に専攻していた数学を久しぶりにやってみようかと購入。数学の世界から離れていてブランクが大きかった私でも、内容が懇切丁寧に記述されているため、確実に読み進めていくことができる。毎日1ページずつ読んでいるが、
「こんな並びもあったのか!」
と数値配列に関して何度も新しい発見があり、感動させられる。

続刊を期待したい。

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もう、そのままですね。
最高です。笑。
数学の美の塊です。
面白いですよ笑

出典 : 牧野貴樹円周率1000000桁表』Amazonカスタマーレビュー

購入者は、数学好き、数字好き、という方以外に、数字好きの方へのネタも兼ねたプレゼントという人も多いようです。

値段も安いですし、おまけのプレゼント用にぴったりかもしれません。

ちなみに、円周率は無限に続きますが、最新の桁数は、「31兆4千億桁」ということなので、今後も続編が続いていくかもしれません(参照 : 円周率、31兆4千億桁計算 グーグル、世界最高|産経新聞

さて、本題の「著作権」に、話題を移したいと思います。

まず、この本の作者は巻末で、円周率には著作権がないこと、また、円周率以外の部分の著作権も放棄する、と語っています。

著作権とは、著作物に発生する権利で、著作物の定義は、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいうと法律で定められています。

この定義に即して考えれば、円周率は、当然誰の著作物ではなく、著作権も発生しません。

自由に使用することができます。円周率Tシャツなどを販売しても構いません(ただ、すでに円周率を記載したTシャツは販売されているようですが、その円周率をおしゃれにデザインを施して配列している場合は、そのデザインに著作権が発生します)。

それから、もう一つ、著作権の観点で言えば、この本の写真を撮ってTwitterにアップした場合、その「写真」の著作権は発生する可能性が考えられます。

たとえば、この本を美しい配置で置き、写真に撮影したら、その写真自体が著作物になり得るかもしれません。

また、著作権の発生する一般的な書籍や、著作物が写った写真も、写真内に写される割合が軽微であれば「写り込み」も許容されます。この軽微の割合としては、10〜20%とも言われています(*著作権者の利益を不当に害さない程度であることが条件となっています)。

それでは、「数式」に関しては、著作権は発生するのでしょうか。

数式も、思想や感情を創作的に表現したものではない、というから著作権は発生しないと考えるのが一般的です。

ただし、数学の「文章問題」の場合は、文章部分に創作性が認められ、著作権が発生することは考えられます。

また、編集物であれば、「編集著作物(編集物でその素材の選択又は配列によって創作性を有するもの)」として著作権が認められる場合もあります。

たとえば、具体的な問題文がついていれば、その問題文が著作物に該当する可能性があります。

また、個々の表現が著作物にあたらないとしても、全体として編集著作物(著作権法12条1項)として保護される場合もあります。

出典 : 弁護士ドットコム「数学の問題の著作権」

以上、円周率や数式と著作権でした。

以下は、初心者でも分かりやすい、著作権に関するおすすめの書籍です。

デザイナーや写真家、ブロガーなど、フリーランスを始めるのによいでしょう。