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ひともをしひとうらめしあぢきなく おもふゆゑにものおも

後鳥羽院ごとばいん  099

現代語訳

人がいとおしくもあり、恨めしくもある。この世をどうにもならないものと思うがゆえに、あれこれ思い悩む我が身にとっては。

語釈

をし
いとおしい。
恨めし
恨めしい。
あぢきなく
どうにもならず。思うにまかせず。
物思ふ身
あれこれ思い悩む我が身。

背景と読みどころ

人がいとおしくもあり、恨めしくもある。相反する気持ちを並べたまま、どちらにも決めていない。

承久の乱よりも前に詠まれた歌である。人を思うようにできない立場にいる者の、行き場のなさが出ている。

『続後撰和歌集』の雑の部に載る。

作者

後鳥羽院(一一八〇〜一二三九)。『新古今和歌集』の編纂を自ら進めた。承久の乱に敗れて隠岐へ流され、その地で亡くなった。