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せばやな雄島をじま海人あまそでだにも れにぞれしいろはらず

殷富門院大輔いんぷもんいんのたいふ  090

現代語訳

見せたいものだ。雄島の漁師の袖でさえ、濡れに濡れても色までは変わらないのに、私の袖は血の涙で色が変わってしまった。

語釈

見せばやな
見せたいものだ。
雄島
松島にある島。
だにも
〜でさえ。
色は変はらず
色は変わらない。

背景と読みどころ

漁師の袖は、いくら濡れても色までは変わらない。だが私の袖は色が変わってしまった。そこまで言って、見せたいと訴える。

血の涙という言い方は当時の恋の歌の約束事で、悲しみが極まった状態を表した。

『千載和歌集』の恋の部に載る。

作者

殷富門院大輔。十二世紀後半の歌人。後白河天皇の皇女、殷富門院に仕えた。歌数の多さで知られた。生没年ははっきりしない。