長からむ心も知らず黒髪の 乱れて今朝は物をこそ思へ
現代語訳
末長く変わらないというあなたの心も、どうだか分からない。黒髪が乱れるように、今朝の私の心も乱れて思い悩んでいる。
語釈
- 長からむ心
- 末長く変わらないという心。
- 知らず
- 分からない。
- 黒髪の
- 下の「乱れ」を導く。長い髪が「長からむ」にも響いている。
背景と読みどころ
「長い」という語が、髪と心の両方にかかっている。だから髪の乱れが、そのまま心の乱れになる。
朝、別れたあとの歌である。逢った直後でありながら、すでにこの先を疑っている。
『千載和歌集』の恋の部に載る。
作者
待賢門院堀河。十二世紀の歌人。鳥羽天皇の中宮待賢門院に仕えた。生没年ははっきりしない。