秋風にたなびく雲の絶え間より もれ出づる月の影のさやけさ
現代語訳
秋風に流れる雲の切れ間から差し込んでくる月の光の、澄みきった明るさよ。
語釈
- たなびく
- 横に長く引く。
- 絶え間
- 切れ目。
- もれ出づる
- 漏れ出てくる。
- さやけさ
- 澄んで明るいこと。
背景と読みどころ
雲の切れ間から差す月の光。動いていく雲と、その隙間から現れる光を、順に追っている。
気持ちを言う言葉が一つもない。見えたものだけを並べて、最後の「さやけさ」に至る。
『新古今和歌集』の秋の部に載る。
作者
左京大夫顕輔(一〇九〇〜一一五五)。藤原顕輔。『詞花和歌集』を撰んだ。