淡路島かよふ千鳥の鳴く声に 幾夜寝覚めぬ須磨の関守
現代語訳
淡路島から通ってくる千鳥の鳴く声に、幾夜目を覚ましたことだろう。須磨の関守は。
語釈
- 淡路島
- 須磨の対岸にある島。
- かよふ
- 島と陸とを行き来する。
- 千鳥
- 冬の浜辺に群れる小鳥。
- 関守
- 関所を守る番人。
背景と読みどころ
千鳥の声で幾晩も目を覚ます、というのは、それだけ長く独りで夜を過ごしているということである。
須磨は都から離れた寂しい土地とされ、『源氏物語』でも都を離れた者の住む地として描かれた。
『金葉和歌集』の冬の部に載る。
作者
源兼昌。十二世紀前半の歌人。官位は低く、伝記はほとんど分かっていない。