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いまはただおもえなむとばかりを ひとづてならでふよしもがな

左京大夫道雅さきょうのだいぶみちまさ  063

現代語訳

今はただ、あきらめてしまおうと、それだけを、人づてではなく直接あなたに言う手立てがあればいいのに。

語釈

思ひ絶えなむ
あきらめてしまおう。
とばかりを
ということだけを。
人づてならで
人を介してではなく。
よしもがな
手立てがあればいいのに。

背景と読みどころ

皇女との仲が問題となり、逢うことを禁じられた後の歌とされる。

言いたいのは、あきらめるということだけである。それすら直接には伝えられない。その状況が歌の中心にある。

『後拾遺和歌集』の恋の部に載る。

作者

左京大夫道雅(九九二〜一〇五四)。藤原道雅。五十四番の儀同三司母の孫にあたる。荒れた振る舞いが多く伝えられる。