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かささぎのわたせるはしにおくしも しろきをればぞふけにける

中納言家持ちゅうなごんやかもち  006

現代語訳

鵲が渡したという橋に置く霜、その白さを見ていると、夜もすっかり更けたのだと分かる。

語釈

かささぎ
カラス科の鳥。中国の伝説では、七夕の夜に翼を並べて天の川に橋をかけるとされた。
渡せる橋
鵲がかけたという橋。宮中の御階を指すという読み方も古くからある。
おく霜
降りて置いた霜。
ふけにける
更けてしまったのだなあ。

背景と読みどころ

天の川にかかるという伝説の橋、その橋に霜が白く置いている。壮大なところから入って、最後は「もう夜が更けた」という静かな気づきで終わる。

宮中の階に降りた霜を見た歌として読む説もある。その場合は、宿直の夜の実景ということになる。

『新古今和歌集』の冬の歌に収められている。家持の作とされるが、『万葉集』には見えない。

作者

中納言家持(七一八頃〜七八五)。大伴家持。『万葉集』にもっとも多くの歌を残し、その編纂に関わったと考えられている。