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わすれじの行末ゆくすゑまではかたければ 今日けふかぎりのいのちともがな

儀同三司母ぎどうさんしのはは  054

現代語訳

忘れまいというその言葉が、遠い先まで続くとは思えない。ならば今日を最後として、この命が尽きてほしい。

語釈

忘れじ
忘れまい、というあの人の言葉。
行末
これから先。将来。
難ければ
あてにしがたいので。
もがな
〜であってほしい。

背景と読みどころ

忘れないという言葉を疑っているのではない。ただ、遠い先まで続くとは限らないと知っている。だから、いちばん幸せな今日で終わりたいと言う。

幸せの絶頂で死を願う、という形をとった恋の歌である。

『新古今和歌集』の恋の部に載る。

作者

儀同三司母。高階貴子。藤原道隆の妻で、一条天皇の中宮定子の母にあたる。生没年ははっきりしない。