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けぬればるるものとはりながら なほうらめしきあさぼらけかな

藤原道信朝臣ふじわらのみちのぶあそん  052

現代語訳

夜が明ければまた日は暮れ、そしてまた逢えると分かってはいるのに、それでも恨めしい明け方であることよ。

語釈

明けぬれば
夜が明けたので。
暮るるものとは
また日が暮れるものだとは。
なほ
それでもやはり。

背景と読みどころ

夜が明ければ、また夜は来る。だからまた逢える。それは分かっている。分かっていてもつらい、というところにこの歌はある。

理屈で自分を納得させようとして、できていない。その不器用さが、そのまま出ている。

『後拾遺和歌集』の恋の部に、女のもとから帰って贈った歌として載る。

作者

藤原道信(九七二〜九九四)。二十三歳で亡くなった。若くして歌の才を認められていた。