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きみがためしからざりしいのちさへ ながくもがなとおもひけるかな

藤原義孝ふじわらのよしたか  050

現代語訳

あなたのためなら惜しくないと思っていた命までも、いまは長くあってほしいと思うようになった。

語釈

君がため
あなたのためなら。
惜しからざりし
惜しくないと思っていた。
もがな
〜であってほしい。

背景と読みどころ

逢う前は、あなたのためなら命も惜しくないと思っていた。逢った後は、その命が長くあってほしいと思うようになった。恋の前と後で、命の意味が入れ替わる。

作者は二十一歳で亡くなっている。そのことを知って読むと、響き方が変わる。

『後拾遺和歌集』の恋の部に載る。

作者

藤原義孝(九五四〜九七四)。四十五番の謙徳公伊尹の子。二十一歳で病により亡くなった。