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かぜをいたみいはうつなみのおのれのみ くだけてものおもふころかな

源重之みなもとのしげゆき  048

現代語訳

風が激しいので岩を打つ波が自分だけ砕けるように、私だけが心を砕いて思い悩んでいるこのごろだ。

語釈

風をいたみ
風が激しいので。「〜を〜み」で理由を表す言い方。
おのれのみ
自分だけが。
くだく
波が砕けることと、心を砕くことを掛けている。

背景と読みどころ

岩は動かず、波だけが砕ける。その一方的な関係が、そのまま片思いの形になっている。

「くだけて」の一語で、波の動きと心の動きが重なる。

『詞花和歌集』の恋の部に載る。

作者

源重之。十世紀後半の歌人。清和天皇の曽孫にあたるが、地方の役人として各地を回った。