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浅茅生あさぢふ小野をの篠原しのはらしのぶれど あまりてなどかひとこひしき

参議等さんぎひとし  039

現代語訳

浅茅の生えた小野の篠原、その「しの」ではないが、こらえてもこらえきれない。どうしてこれほど人が恋しいのだろう。

語釈

浅茅生
丈の低い茅の生えている場所。
篠原
細い竹の生えた原。「しの」が下の「しのぶ」を導く。
あまりて
こらえきれなくなって。
などか
どうして。

背景と読みどころ

初句と二句は「しのぶ」を引き出すために置かれた序詞である。人けのない野の情景が、そのまま人目を忍ぶ心に重なる。

『古今和歌集』にある作者不明の歌「浅茅生の小野の篠原忍ぶとも人知るらめや言ふ人なしに」を下敷きにしている。

『後撰和歌集』の恋の部に載る。

作者

参議等(八八〇〜九五一)。源等。嵯峨天皇の曽孫にあたる。