誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに
現代語訳
誰を旧知の友としようか。高砂の松は長生きだが、昔からの友というわけではないのに。
語釈
- 誰をかも
- いったい誰を。
- 知る人
- 気心の知れた友。
- 高砂
- 今の兵庫県高砂市。松の名所とされた。
- ならなくに
- 〜ではないのに。
背景と読みどころ
古い友はみな亡くなり、残っているのは長生きの松ばかりである。だがその松も、昔からの友というわけではない。
長寿の象徴である松を持ち出しておいて、それを友ではないと退ける。そこに、生き残った者の孤独が出る。
『古今和歌集』の雑の部に載る。
作者
藤原興風。九世紀後半から十世紀初めの歌人。琴の名手としても知られた。