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山川やまがはかぜのかけたるしがらみは ながれもあへぬ紅葉もみぢなりけり

春道列樹はるみちのつらき  032

現代語訳

山あいの川に風がかけたしがらみは、流れきれずにとどまった紅葉であった。

語釈

山川
山あいを流れる川。
しがらみ
杭を打ち、柴などを渡して水の流れをせき止めるもの。
流れもあへぬ
流れきることができない。

背景と読みどころ

川に紅葉がたまって、水の流れをせき止めている。それを「風がかけたしがらみ」と見立てた歌である。

本来は人が作るはずのしがらみを、風が作った。そのひっくり返しに、この歌の面白さがある。

『古今和歌集』の秋の部に、志賀の山越えの道で詠んだ歌として載る。

作者

春道列樹(生年不明〜九二〇)。官位は低く、伝記はほとんど分かっていない。