心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花
現代語訳
あてずっぽうに折るなら折ってみようか。初霜が降りて、どれが花か分からなくなった白菊を。
語釈
- 心あてに
- あて推量で。
- 折らばや折らむ
- 折るとすれば、折ってみようか。
- 置きまどはせる
- 霜が降りて、見分けがつかないようにしている。
背景と読みどころ
白い霜と白い菊が重なって、どちらがどちらか分からない。その戸惑いを、そのまま楽しんでいる歌である。
実際には、霜と菊を見分けられないほどではない。見立ての面白さを取った歌で、後の世には作り事めいていると評されることもあった。
『古今和歌集』の秋の部に載る。
作者
凡河内躬恒。九世紀後半から十世紀初めの歌人。『古今和歌集』の撰者の一人。