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こころあてにらばやらむ初霜はつしも きまどはせる白菊しらぎくはな

凡河内躬恒おおしこうちのみつね  029

現代語訳

あてずっぽうに折るなら折ってみようか。初霜が降りて、どれが花か分からなくなった白菊を。

語釈

心あてに
あて推量で。
折らばや折らむ
折るとすれば、折ってみようか。
置きまどはせる
霜が降りて、見分けがつかないようにしている。

背景と読みどころ

白い霜と白い菊が重なって、どちらがどちらか分からない。その戸惑いを、そのまま楽しんでいる歌である。

実際には、霜と菊を見分けられないほどではない。見立ての面白さを取った歌で、後の世には作り事めいていると評されることもあった。

『古今和歌集』の秋の部に載る。

作者

凡河内躬恒。九世紀後半から十世紀初めの歌人。『古今和歌集』の撰者の一人。