山里は冬ぞさびしさまさりける 人めも草もかれぬと思へば
現代語訳
山里は冬こそ寂しさがまさる。人の訪れも絶え、草も枯れてしまうと思うと。
語釈
- 人め
- 人の訪れ。
- かれ
- 人が「離れ」ることと、草が「枯れ」ることを掛けている。
- ぬ
- 〜てしまった。
背景と読みどころ
「かれ」の一語で、人が来なくなることと草が枯れることを同時に言っている。冬の山里の寂しさを、この掛詞だけで言い切っている。
山里はもともと寂しい場所である。そのうえで「冬こそ」と言い切るところに、この歌の押し出しがある。
『古今和歌集』の冬の部に載る。
作者
源宗于(生年不明〜九三九)。光孝天皇の孫にあたるが、官位には恵まれなかった。