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小倉山をぐらやまみねのもみぢこころあらば いまひとたびのみゆきたなむ

貞信公ていしんこう  026

現代語訳

小倉山の峰の紅葉よ、心があるならば、もう一度の行幸まで散らずに待っていてほしい。

語釈

小倉山
京都の嵐山の対岸にある山。紅葉の地として歌に詠まれてきた。
心あらば
心があるならば。
みゆき
天皇の外出をいう「行幸」。
待たなむ
待っていてほしい。

背景と読みどころ

上皇が小倉山の紅葉を見て、これを天皇にも見せたいと言ったのを受け、供をしていた作者が代わって詠んだ歌とされる。

紅葉に「心があるなら」と呼びかける形をとりながら、実際に伝えているのは上皇の言葉である。歌が伝言の役目を果たしている。

『拾遺和歌集』の雑の部に載る。

作者

貞信公(八八〇〜九四九)。藤原忠平。摂政・関白を務めた。貞信公は死後に贈られた名である。