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わびぬればいまはたおな難波なにはなる みをつくしてもはむとぞおも

元良親王もとよししんのう  020

現代語訳

思いつめてしまった今は、どうなっても同じこと。難波の澪標ではないが、身を尽くしてでも逢いたいと思う。

語釈

わびぬれば
思い悩んでしまったので。
今はた同じ
今となっては同じことだ。
みをつくし
難波の澪標と、「身を尽くし」を掛けている。澪標は船に水路を示すための杭。

背景と読みどころ

噂が立ってしまった後の歌とされる。もう隠しようがない、それならいっそ身を滅ぼしてでも逢いたい、という開き直りである。

「みをつくし」の掛詞が、難波という土地と「身を尽くす」覚悟とを、一語で結びつけている。

『後撰和歌集』の恋の部に、宇多院の妃との仲が世に知られてしまった後の歌として載る。

作者

元良親王(八九〇〜九四三)。陽成院の皇子。恋にまつわる逸話が多く伝えられている。