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わかれいなばのやまみねふる まつとしかばいまかへ

中納言行平ちゅうなごんゆきひら  016

現代語訳

別れて因幡へ行くけれど、因幡山の峰に生える松のように、あなたが待つと聞いたなら、すぐにでも帰ってこよう。

語釈

いなば
「往なば(行ったならば)」と「因幡」を掛けている。
まつ
「松」と「待つ」を掛けている。
すぐに。

背景と読みどころ

因幡守として任地へ下るときの歌とされる。行くことと帰ることを、一首のうちで行き来している。

「いなば」「まつ」と掛詞が二つ重なるが、言っていることは「待っていてくれると聞いたなら、すぐ戻る」という一点だけである。

『古今和歌集』の別れの部に載る。

作者

中納言行平(八一八〜八九三)。在原行平。業平の兄にあたる。須磨に籠もったという伝えがあり、後の物語や謡曲の題材になった。