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著作権

井上公造、ASKA新曲無断使用で著作権侵害の判決

井上公造、ASKA新曲無断使用で著作権侵害の判決

芸能リポーターの井上公造さんが、ミュージシャンのASKAさんの未公表の新曲をテレビで無断使用したことで、ASKAさんが井上公造さんと読売テレビに損害賠償請求(約3300万円)の訴えを起こしていた裁判。

判決は、井上公造さんと読売テレビの敗訴。東京地裁は、両者に117万4000円の賠償金支払いを命じる判決を下しました。

事の発端は、井上公造さんが、テレビ番組の『ミヤネ屋』で、ASKAさんの未発表の新曲の一部をASKAさんに無断で公開したことにありました。

ASKAさんは、「絶対に誰にも聞かせないでほしい」という約束のもと、井上公造さんに未発表の楽曲データを送りました。

しかし、その曲の一部を無断で全国放送の番組で流し、その後、井上公造さんは楽曲の公開について、「逆に、聞かせたほうがいいと思ったんです」と弁解します。

当時、警察発表も含め、メディアの空気がASKAさんに不利な方向に流れていることを案じ、ASKAさんがちゃんとアーティストとして活動しているという、そのフォローにもなるし、ASKAさんの音楽活動の宣伝にもなる、というのが、井上さんがASKAさんの楽曲を公開した動機だったようです。

もちろん、芸能ジャーナリストの佐々木博之さんが指摘しているように、「自分だけが知っている」という特ダネ的な狙いもあったのでしょう。

井上公造さんは、ASKAさんの楽曲を公開することは、ミュージシャン側とメディア側のWin – Winになると考えたのだと思います。

確かに、表現者とメディアのあいだの「メディアで取り上げられることで互いの宣伝になる」という持ちつ持たれつの関係性は一般的にあります。

おそらく今回の著作権侵害の判決でポイントになるのは、本人がまだ誰にも公表してほしくない、と語っていたこと(未発表の新曲を、無断で公開したこと)にあるのではないでしょうか。

なぜ損害賠償の金額がASKAさんの請求した金額と比較し、これほど低いのか、といった疑問も、この点に関連します。

どうやら東京地裁が主に認めたのは、著作権侵害のうち「著作者人格権」の侵害のようです。

著作権は著作物の経済的な権利ですが、著作者人格権は、作者の精神面に関わる権利です。

画像 : 著作者にはどんな権利がある?

そのうちの一つに、「公表権」という未発表の著作物を公表するかどうか、いつ、どこで公表するかを著作者が決められる権利もあります。

こうした著作者人格権の侵害、言ってみれば、傷ついた心に対する慰謝料の意味合いが強く、その相場が100万円程度ということから、その意味ではASKAさんへの賠償金額も、概ね妥当ということが言えるのでしょう。

ASKAさんの3300万円というのは、この著作者人格権の侵害ではなく、ここで公開されなければ然るべき場所に自身の楽曲を提供し、そのとき得られた報酬は3000万円程度だっただろう、という想定から、この約3300万円という金額になったようです。

一方、裁判所は、現時点であの楽曲が公開されたからと言うことで3000万円規模の経済的損失があったとは言えないと判断したようです。

この判決を受け、井上公造さんと読売テレビは謝罪コメントを発表しています。

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